屋根葺き替え・屋根カバー工法 どちらを選ぶのが正解? ②

お世話になっております、乗松です!
今回は「屋根葺き替え・屋根カバー工法 どちらを選ぶのが正解? ①」の続きで
屋根葺き替え工事について詳しく説明したいと思います!
屋根葺き替えとは、これまでの屋根を解体・撤去し、新しい屋根材に葺き替える工事です。
屋根材を取り外しますので、その下の防水紙や野地板といった普通手入れができない部分も同時に
メンテナンスや補修を行うことができます。
屋根の葺き替えというと老朽化した屋根というイメージがありますが、最近では耐震対策としての軽い屋根へ葺き替えるお客様もいらっしゃいます。
屋根の葺き替え工事とは、現在の屋根材を剥がして撤去し、新しい屋根材を施工する(葺く)ことです!
下地になっている野地板を補強・補修し、新しい防水紙も敷設し直すので、経年劣化した屋根も強く生まれ変わります。
屋根葺き替えは耐震対策にも
葺き替え工事を検討されるスタンダードな理由として瓦の重量が挙げられます。
近年地震や台風で瓦屋根が被害を受ける機会が非常に多いです。
強風による捲れや、割れの被害は補修や施工方法でカバーできますが、地震で落下する瓦による二次被害、地震時に倒壊するリスクが必要という方も多いでしょう。
そこには瓦の重さも非常に大きく関係しており、軽量な屋根材へ変更したいというご相談を多くいただきます。
しっかり住宅の構造、揺れのメカニズムを理解したうえで屋根の葺き替え工事に臨みましょう。
屋根葺き替え工事のメリット
屋根葺き替えで屋根の寿命が延びる
屋根の葺き替えの最大のメリットは、屋根材だけでなく、その下の防水紙、屋根材の下地になる野地板などを一度にメンテナンスできることです。
築年数が長く老朽化した屋根でも新築同様の強度になり、大きな地震や台風にも耐えられます!
雨漏りなども一掃できる
老朽化した屋根は複数個所で雨漏りなどの問題が発生する危険性をはらんでいます。
雨漏りを繰り返す、軽微な破損が多い、そんなあらゆる屋根の問題を一掃できるのが屋根葺き替えです!
屋根を軽くできる
耐震対策として、屋根の重量を気にされる方が増えています。
屋根が重いとお住まいの重心が高くなり、地震の揺れにも影響するといわれています。
屋根が軽くなれば単純にお住まいの躯体への負担も軽くなります。
現在、瓦屋根の場合、瓦は特に重いですから、葺き替えで大幅な軽量化が期待できます。
葺き替え工事のデメリット
費用と工期がかかる
屋根葺き替えは屋根工事の中でも特に大規模な工事で、工程が多く、廃材も多く出ます。
その分日数と費用が掛かります。
屋根葺き替えにかかる工期は、屋根の大きさや形状によって異なりますが、2~8日程度です。
屋根カバー工事をした場合と比べても2日程度日数が多くなるでしょう。
工事期間は足場を仮設し、人の出入りや作業音などでご不便をおかけすることがあるかもしれませんが、居住したまま葺き替え工事は可能なのでご安心ください。
軽い屋根はなぜ良いのか?
現在瓦屋根なら、葺き替えで屋根を軽量化することをおすすめします。
強風や突風でも瓦などが飛散しない 地震の時でも揺れが少ない
地震時の揺れの大きさを決めるのは震度やマグニチュードだけではありません。
家屋の重心の位置にも大きく左右されるのです。
屋根が重いと重心がどうしても高くなってしまうため、不安定さが増します。
その為大きく揺れてしまうのです。
一般的な広さの家屋(100㎡、30坪の場合)で瓦屋根の場合、その重さは約6tにも達します。
実に軽自動車(約800kg)7~8台分に相当する重さです。
同じ広さであっても金属屋根に葺き替えた場合、重さは10分の1,約600kgまで激減します。
軽自動車1台分未満になってしまうのです。
重心の位置もかなり下がります。
実際の揺れでは建物の上端になればなるほど遠心力が大きくなります。
重さの数倍以上の力が加わることになるのです。
はたらく遠心力が同じであっても、軽ければ軽いほど建物に加わる力は少なくなります。
屋根の軽さは耐震性に直結し減震が期待
また、金属屋根は瓦と違い、一枚一枚を屋根に積むわけではないので、地震時に落下する危険性もありません。
昔は「金属屋根だと雨音が大きくて気になる」なんてことも言われましたが、現在は遮音性や断熱性に優れた金属屋根も販売されています。
軽くて割れない、強い瓦があります!
多彩なデザインのお住まいが溢れる現在でも、「屋根はやっぱり瓦が良い」という方はたくさんおられます。
瓦の持つ耐久性や断熱性、高級感や重厚感は大きな魅力です。
現在ではその瓦の持つ耐久性、高級感、重厚感、質感も従来のものとほとんど変わらないのに、軽くて丈夫・しかも重量は半分というハイブリットタイプの瓦が販売されております!
◎瓦の持つ耐久性、高級感、重厚感、質感も従来のものとほとんど変わらない!
◎軽くて丈夫!
◎重量は半分
葺き替え工事の流れ
01・瓦の撤去
まずは積みあがった棟を解体し瓦を全て剥がしていきます。
剥がしていくと瓦を固定するための桟木部分に土や埃が溜まっていることが分かります。
その土が雨水を吸い込むことで防水紙や桟木を傷めてしまう事もあります。
02・防水紙の撤去
瓦の下には防水紙が敷いてあります。
そちらを全て撤去します。
長年蓄積されたホコリやゴミの他に、瓦設置に使用された土などが出てきますので、清掃しながら防水紙を取り外していきます。
03・野地板の増し張り
屋根の強度を上げるために、既存の野地板の上に新しい野地板を増し張りします。
固定用の釘やビスは垂木といわれる屋根の骨組みに溜めています。
野地板が腐食している場合は張り替え補修を行います。
04・ルーフィング工事
防水紙は雨水侵入を防ぐ最大要です。
軒先(屋根の端部)から棟(頂部)に向かって重ねながら防水紙を葺きます。
防水紙にもさまざまな種類がありますが、改修時には耐久性・シール性に優れた改質アスファルトルーフィングが使用されることが多いです。
05・屋根材の設置
葺き替えに使用する屋根材はエコグラー二です。
この屋根材はジンカリウム銅板からできており、表面はストーンチップによる自然石粒仕上げになっています。
因みにジンカリウム銅板はガルバリウム銅板とほぼ同じ成分です。
軽くて腐食に強い上、30年保証も付いている安心の屋根材です。
屋根材も防水紙同様、軒先から棟に向かって固定しながら葺きます。
06・貫板と棟板金の設置
屋根材施工後、棟部分に貫板と呼ばれる下地材を取り付け、それを覆うように棟板金を設置します。
貫板は真上から棟木に固定、棟板金は貫板に対し側面固定をすることで雨水が入りにくく強固に固定できます。
屋根葺き替え工事に関するまとめ
●屋根カバー工法と葺き替え工事で悩まれている場合は、雨漏りで下地が吸水してないかチェック!
●角が取れた古い瓦、ラバーロック工法を施工した瓦、セメント瓦・乾式コンクリート瓦は屋根葺き替え工事しか対応できません!
●地震による建物被害と屋根の重量は非常に深い関係があります。
耐震性を向上させるなら、なるべく軽い屋根材へ変更するのが効果的です。
●一番軽いのは金属屋根材ですが、断熱性・遮音性そのままに約1/2の重さで仕上がるハイブリット瓦も注目をあびています!
●葺き替え工事は下地の補修・補強等もできる唯一の工事です。
施工費用も高くなってしまいますが、施工方法がしっかりしていれば長期にわたって不安を残さない工事です!
これが屋根葺き替え工事の一連の流れになります🪄
次回は「屋根カバー工法」について説明していきたいと思います★